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構成関係(応力-ひずみ関係)


  
Figure 2.11: 一軸引張を受ける物質の応力-ひずみ関係
\begin{figure}
\begin{center}
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\epsfxsize=8cm
\epsffile{fig5-13.ps}
\end{center}\end{figure}

Fig 2.11 左図のように,例えば軟鋼でできた細い棒を 軸方向 (x1方向とする) に引っ張り, ひずみ $\epsilon_{11}$ と応力 $\tau_{11}$ の値をプロットしてみよう. すると,Fig 2.11 右図のような結果が得られる. この物質では, $\epsilon_{11}$ が小さい範囲では, $\epsilon_{11}$$\tau_{11}$ との関係 (すなわち,構成関係) が ほぼ直線的であることがわかる.このように,ひずみが小さい範囲では 近似的に応力とひずみは線形関係にあるとしてよい場合が多い. このような線形な構成関係を表すのがHookeの法則である. 以下にそれを誘導してみよう.

まず,$\tau_{11}$ だけ作用したとき(x1 軸方向の一軸引張)を 考える(Fig 2.12 ).ここで,E をYoung率,$\nu$ を Poisson比 ( $0 \leq \nu < 0.5$) とすると,

\begin{eqnarray*}\epsilon_{11} &=& \frac{1}{E} \tau_{11}\\
\epsilon_{22} &=& \epsilon_{33} = - \nu \epsilon_{11}
\end{eqnarray*}


と書ける.$\tau_{22}$$\tau_{33}$ についても同様な関係が 導かれるから,三軸で引張った場合には,重ね合わせにより,

\begin{eqnarray*}\epsilon_{11} &=& \frac{1}{E}\tau_{11} - \frac{\nu}{E} \tau_{22...
...E} \tau_{33}
- \frac{\nu}{E}( \tau_{11} +\tau_{22} +\tau_{33})
\end{eqnarray*}


となる.
  
Figure 2.12: x1 軸方向の一軸引張
\begin{figure}
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\epsfxsize=8cm
\epsffile{fig5-14.ps}
\end{center}\end{figure}

他方, $\tau_{12}(=\tau_{21})$ $\tau_{23}(=\tau_{32})$ $\tau_{31}=\tau_{13}$ がそれぞれ作用したとき,

\begin{eqnarray*}\epsilon_{12} = \frac{1}{2G}\tau_{12},\quad
\epsilon_{23} = \frac{1}{2G}\tau_{23},\quad
\epsilon_{31} = \frac{1}{2G}\tau_{31}
\end{eqnarray*}


となる.ここに, $\displaystyle G = \frac{E}{2(1+ \nu)}$ である ことを示すことができる.

以上をまとめれば,線形弾性体の構成関係は

 
$\displaystyle \epsilon_{ij} = \frac{1}{2G} \tau_{ij}
- \frac{\nu}{E} \delta_{ij} \sum_{k=1}^3 \tau_{kk}$     (23)

と表すことができる.これをHookeの法則という. ここに, $\delta_{ij}$ はクロネッカーのデルタと呼ばれ,

\begin{eqnarray*}\delta_{ij} = \left\{
\begin{array}{ll}
1 & (i = j) \\
0 & (i \ne j)
\end{array}\right.
\end{eqnarray*}


である.

Ken-ichi Yoshida
2001-04-18