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節点力と部材力


  
Figure 1.4: トラス
\begin{figure}
\begin{center}
\leavevmode
\epsfxsize=8cm
\epsffile{fig1-02.ps}
\end{center}\end{figure}

トラスの各部材は部材力 N を受けていると述べた. これは部材がその両節点で受ける力(これを節点力という) の合力(ベクトル)によるものである.その合力は各部材の軸方向に のみ作用するものであり,その大きさを部材力 N (スカラー)と定義 するのである.以下に詳しく見てみよう.

さて,部材 I の端点 i に働く節点力を $\mbox{\boldmath$f$ }_{iI}$ と 表しておき,部材力 N をきちんと定義しよう. 注目する部材 I の端点を ij として, それらの位置ベクトルをそれぞれ $\mbox{\boldmath$x$ }_i$ $\mbox{\boldmath$x$ }_j$ とする. いま,トラスはつりあっているのだから,部材 I の力とモーメントも つりあっていなければならない.これより,

\begin{eqnarray*}\mbox{\boldmath$f$ }_{iI} + \mbox{\boldmath$f$ }_{jI} &=& {\bf0...
...\mbox{\boldmath$x$ }_j\times\mbox{\boldmath$f$ }_{jI} &=& {\bf0}
\end{eqnarray*}


が成り立つ.第一式から, $\mbox{\boldmath$f$ }_{iI}$ $\mbox{\boldmath$f$ }_{jI}$ は 大きさが等しくて逆向きなベクトルであることがわかる. また,第一式を第二式に代入すると,

\begin{eqnarray*}(\mbox{\boldmath$x$ }_{j}-\mbox{\boldmath$x$ }_i)\times\mbox{\boldmath$f$ }_{jI} = {\bf0}
\end{eqnarray*}


と書けるから, $\mbox{\boldmath$x$ }_{j}-\mbox{\boldmath$x$ }_i\ne{\bf0}$ であることを用いれば, $\mbox{\boldmath$f$ }_{jI}\ne{\bf0}$ ならば $\mbox{\boldmath$x$ }_{j}-\mbox{\boldmath$x$ }_i$ $\mbox{\boldmath$f$ }_{jI}
(=-\mbox{\boldmath$f$ }_{iI})$ は平行でなくてはならない( $\mbox{\boldmath$f$ }_{jI}={\bf0}$ でも 下記は成り立つ).つまり, $\mbox{\boldmath$f$ }_{iI}$ $\mbox{\boldmath$f$ }_{jI}$ はともに軸に 平行に作用していることがわかる.つまり, $\mbox{\boldmath$f$ }_{iI}$ $\mbox{\boldmath$f$ }_{jI}$ は 軸に平行な大きさの等しい互いに逆向きなベクトルである. したがって, $\mbox{\boldmath$f$ }_{iI}$ $\mbox{\boldmath$f$ }_{jI}$ は 式(1)で定義した単位ベクトルを用いれば,
 
$\displaystyle \mbox{\boldmath$f$ }_{iI} = \mbox{\boldmath$n$ }_{iI} N_{I}$     (6)

と書けることがわかるであろう.NI は部材 I の部材力 に他ならない.NI が正のとき,fiIfjI は 互いに部材 I から見て外向きとなり(物理的には引張), NI の符合は引張が正となっていることがわかる. 例えば,Fig 1.4 の下図の場合は,

\begin{eqnarray*}\mbox{\boldmath$f$ }_{2\ooalign{ \hfill$\scriptstyle1$\hfill\cr...
...c$ }} N_{\ooalign{ \hfill$\scriptstyle1$\hfill\crcr$\bigcirc$ }}
\end{eqnarray*}


と書ける.

Ken-ichi Yoshida
2001-04-18