next up previous
Next: 仮想仕事の原理 Up: トラスの力学 Previous: トラスの境界値問題の解法---変位法

トラスの境界値問題の解法---応力法

 

伝統的な、手計算による構造力学においては、主要なトラスの解法は応力法で ある。この場合、静力学的に許容な場から出発し、構成関係によって求められ た部材ののびと変位に関する境界条件から得られる適合条件を満たすように不 静定力を決定する。不静定次数の低い簡単な問題では手計算による解も可能で あることが多いが、数値計算には余り適しているとはいえない。また、変位計 算は別途行なわなければならない。以下では変位法の双対問題としての応力法 を、線形弾性トラスの場合について述べる。なお、実際の計算に以下の方法が とられることは稀であり、仮想仕事の原理に基づくのが普通である。ただし、 以下に述べる計算と仮想仕事によるものとは等価である。

安定なトラスに対する応力法では静力学的に許容な場、すなわち、式 (1.14)の右辺を計算ことから出発する。これは (1.12)の解を求めることであり、静定トラスにおいては を得、これで応力法は終了である。不静定トラスにおいて はさらに不静定力を決定しなければならない。そのため、 から構成 式を用いて 求められた部材ののび は幾何学 的に許容でなければならないので、(1.9)より

を満たすベクトル が存在しなければならない。有限次元の Fredholmのalternativeより、上式が可解であるためには

 

でなければならない((1.14)参照)。従って、特に

で与えられる線形弾性トラスでは(D は正値なので可逆である)、 (1.14)より、不静定力 は方程式

 

を解くことによって求められる。S はfull rankであるので、上式の係数行 列は正則である。



N. Nishimura
Sat Jul 4 16:13:59 JST 1998