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仮想仕事の原理の応用--- 応力法によるトラスの境界値問題の解法と単位荷重法

  応力法によるトラスの解法においては、手計算による不静定力の決定法として 仮想仕事の原理によるものが一般的である。また、手計算によって変位を求め る時には以下に述べる単位荷重法を利用することが多い。本節前半の不静定構 造の解法に関する内容は、1.9の結果の別法による誘導となっ ている。なお、本節の内容も特に断らない限り構成式の形には依存しない。

まず、応力法による不静定トラスの境界値問題の解法を、仮想仕事を用いて導く。 応力法では静力学的に許容な系から出発する。即ち、(1.14) より、部材力は

であるが、これと構成式を用いて求めた部材の伸び が幾何学的に許容でなければならない。従って、補仮想仕事の原理 (1.21)より、

 

を得る。ここに の任意の元であり、任意の静力 学的に許容な斉次系

と書けることを用いた。式(1.25)は(1.17)を を未知数として書き下したものに他ならず、特に線形弾性ト ラスでは(1.18)と同一の内容である。

静定トラスでは釣合により、また不静定トラスでは上のようにしてトラスの部 材力が完全に求められると、未知の節点変位は次のようにして計算される。ま ず、支点以外の節点で与えられた節点力が であるような仮想的 な釣合系を一つ選ぶ。 の典型的なとり方として、変位を求めた い節点に、求めたい方向に単位大きさの荷重、それ以外は0とするものが考え られ、これを用いた場合、以下の計算は単位荷重法と呼ばれる。仮想釣合系の 部材力 は(1.12)より

の解として求まる。安定なトラスでは上式は可解ではあるが、一般に不静定次 数個の自由度を残して決定される。そこで、そのような を1つ任意に 固定する。対応する反力

となる。以上の仮想釣合系 と、(真の)境界値問題の解(適合系)の間に仮想仕事 の原理(1.19)を書き下すと

 

を得る。ここに は一般化変位と呼ばれ、 は部材力から構成式によって求められた部材の伸びである。特に、単位荷重法 では(1.26)左辺は求めたい変位成分に一致することに注意さ れたい。このようにしてトラスの変位を計算することが出来る。なお、仮想釣 合系は仮想荷重と釣合系をなしておりさえすれば良く、このことを用いて不静 定構造の変位計算を簡単に行なうことが出来ることがある。



N. Nishimura
Sat Jul 4 16:13:59 JST 1998