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Next: エネルギ停留原理 Up: トラスの力学 Previous: 仮想仕事の原理の応用--- 応力法によるトラスの境界値問題の解法と単位荷重法

種々のエネルギ

  以下ではいわゆるエネルギ法について述べる。エネルギ法は、弾性体の力学の 境界値問題の解が何らかのエネルギを停留にすることに基づいている。これは 独立した物理法則ではなく、今まで見てきた弾性トラスの境界値問題の解の一 性質に過ぎない。また、仮想仕事の原理は構成式の形によらないものであった が、エネルギ法は構成関係が弾性である時に限ったものである。この意味で、 エネルギ法は仮想仕事の原理に比べて第2義的なものであると考えることが出 来る。前節、前々節で述べた仮想仕事の原理の境界値問題の解法への応用、単 位変位・荷重法を、各々、弾性の場合にエネルギの言葉で言い替えたものが、 いわゆる最小仕事の原理、およびCastiglianoの定理である。従って、これら の結果の習得は仮想仕事の原理を正しく理解したものにとっては特に必要とは 言えないかも知れないが、エネルギ原理は一つのスカラ量のみ扱えば良いと言 う意味においてはbook keeping的な価値があるとは言えるであろう。

さて、あるトラスの部材が弾性体で出来ているものとする。この時、構成関係

を積分したもの

を、各々、ひずみエネルギ関数、および補ひずみエネルギ関数と呼ぶ。 これらは明らかに関係

を満たす。線形弾性体においてはこれらは構成関係で結ばれる に対して等しくなる。

次に、あるトラスの境界値問題(1.5節参照)における 幾何学的に許容な系((1.8)、(1.9)参照)

に対して、ポテンシャルエネルギ を次式で定義する。

 

右辺第2項は ではなく、 の物理的意味は 余りわかり良いものではない。

同じく、あるトラスの境界値問題(1.5節参照)における 静力学的に許容な系 に対して、 補ポテンシャルエネルギ を次式で定義する。

 

ここに、

である((1.13)参照)。

右辺第2項は ではなく、 の物理的意味は やはり余りわかり良いものではない。



N. Nishimura
Sat Jul 4 16:13:59 JST 1998