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相反性

  線形弾性体のトラス(この仮定は本質的である)においては次の相反性定理が成 り立つ。

定理6 (相反性) (i=1,2) はそれぞれある同一の線形弾性体トラスに対する2つの 境界値問題の解であるとする。即ち は適合系 ((1.3)参照)であり、 は釣合い 系((1.5)参照)であって、さらに構成関係 が成り立つとする。ここに は問題 i における初期伸び ((1.6)参照)である。このとき次式が成り立つ

 

(証明)仮想仕事(1.19)、構成関係(1.6)、 構成関係の対称性(1.15)、仮想仕事(1.19) を順に用いて

を得る。 (証明終)

式(1.31)の特殊ケースとして次の結果が得られる。

  1. i=1,2 の問題で与えられた支点変位が0であり、即ち、与えられた変位境 界条件が を満たし((1.7)参照)、初期伸びが 無く、与えられた節点力 ((1.10)参照)が 節点 に作用する単位ベクトルであるとき、式(1.31)は荷重 による節点 方向の変位は、荷重 による節点 方向の変位に等しい事を意味 する。

  2. i=1 の問題で与えられた支点変位が0であり()、 与えられた節点力 が 節点 に作用する単位ベクトル であるとする。又、i=2 の問題で与えられた節点力が0であり ()、与えられた節点変位 が 節点 において単位ベクトルであって、他の節点では0とする。また i=1,2 の問題で期伸びが0とする。このとき、 による節点 の節点力の 方向成分 (これは変位が与えられた節点 であるから、反力である。(1.10)参照)は による節 点 の変位の 方向成分に負号をつけたものに等しい。

  3. i=1,2 の各問題で与えられた節点変位に関する境界条件が斉次で ()、更に問題1では与えられた節点力 が 節点 j に作用する単位ベクトルであって、初期伸びは0、問題2で与え られた力の境界条件が斉次()で、 が部材 J における単位伸びであるとき、荷重 による部材 J の部材力は、部材 J の単位のびによる節点 j の変位の 方向成分に等しい。

相反性定理は、要するにトラスのGreen 公式である。また上記特殊ケースの1 は要するに Green 関数の対称性である。特殊ケース1、2、3はそれぞれ、たわ み、反力、部材力の影響線の作図に用いられる。



N. Nishimura
Sat Jul 4 16:13:59 JST 1998