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結言

本論文では3次元静弾性クラック問題における高速多重極法の定式化を示し、 その有効性を結論することが出来たと考える。特にモーメントを数値積分で評 価する方法は計算効率が良いことが結論された。本研究ではGMRES法において 収束を速める(繰り返しの数を減らす)ために、Laplace方程式の通常の境界値 問題やクラック問題に関する研究で用いられたleafに対応するブロック対角行 列の逆で前処理をする方法を適用した。本研究で扱ったような単純な問題では この前処理法で計算効率が向上したが、一方、境界形状が複雑な場合や、 Galerkin法の場合などでは必ずしも有用でないことが見出されており、現在、 より適用性の高い前処理法を模索中である。また、積分の評価を変えただけで かなりの高速化が実現されたので、精度の問題を考慮しつつ、定式化や積分の 評価について更に検討する事は大いに価値があると思われる。例えば、3次元 問題であることを考えれば、直観的にはモーメントの種類は12個(正則化した 場合)、ないしは4個(正則化しない場合)から、9個ないしは3個にまで減らせる ものと予想されるが、現在のところそのような定式化は得られていない。これ は従来、解析的な研究において4個のNeuber-Papkovichの関数をPoisson比の値 に係わらず見通し良く3個に減らすことが困難であったことと同じ理由による ものと推定されるが、現在の定式化には改良の余地があることを示唆している 可能性もあると考えている。

12cm



N. Nishimura
Thu Sep 10 18:18:20 JST 1998