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基本解の展開

以下数節にわたり、7.多重極法のアルゴリズムで述べ る3次元静弾性クラック問題の積分方程式における多重極法の 記述に必要な諸式を誘導する。本論文では超特異積分方程式(3)、 及び正則化された積分方程式(4)を対象とするが、以下では繰り返 しを避けるため、主として正則化された積分方程式(4)に基づく多 重極法について述べる。

多重極法の出発点は基本解に対する変数分離形の展開を求めることである。静 弾性学の基本解の多重極展開を行なうために、基本解のGalerkin ベクトル表 示である式(2)に注目すると、項 |x-y| を変数分離型に展開して おけば、後は微分によって自然に基本解の展開が得られることが予想される。 以上の考察により、まず |x-y| の展開について考える。Eptonらは [10]Helmholtz方程式における基本解の展開について議論しているが、 彼らの結果を波数 k の冪に展開し、 その係数を計算することによって次の |x-y| の展開式が導出される。

 

ここに a の複素共役を意味し、 は原点 O から見た点 x の 極座標を とすると、ルジャンドル陪関数を用いて

と表せる。

さらに、 には以下の関係式がある。

  

以上の諸式と球関数に関する2、3の公式を用いて、式(2)の基本解は

  

と書かれることが分かる。ここに

  

と定義される関数である。これらはNeuber-Papkovichの関数で表示され ることを示すことができ、従って、静弾性学の解である。



N. Nishimura
Thu Sep 10 18:18:20 JST 1998