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緒言

境界積分方程式法は古くから動弾性問題に適した数値解法であると考えられ, 多くの研究がなされてきた。しかし,従来の境界積分方程式法では,未知数 N の問題において,離散化方程式を得るための計算量と記憶容量が O(N2),方程式を直接法で解くときの計算量が O(N3) となり,大規 模問題には適さないと考えられてきた.しかし,最近の多重極法の導入により, 大規模問題への適用性は大幅に改善されつつある.そのような研究例として, diagonal form を用いたChew らの2次元解析[1],original FMM によ る福井[2]やFujiwara[3]の2次元解析,及びdiagonal form を用いたFujiwara の3次元解析[4]がある.Chew や Fujiwara の研究は,Helmholtz 方程式における多重極法を動弾性問題に直接的に拡張し たものであり,福井はGalerkin vectorを経由した定式化を用いている.

しかし,動弾性問題の多重極法の定式化にはまだまだ改良の余地がある. たとえば福井の定式化によれば2次元動弾性学の解は4種類のモーメントによっ て記述されることになるが,2次元動弾性問題の解は2種類のポテンシャル によって記述されるので,さらにモーメントの個数を減らすことが可能である ものと考えられる.そこで本論文では,2次元では2種類,3次元では4種 類のモーメントを用いた多重極法の定式化が可能であり,M2M, M2L,L2Lなどの公式が,スカラー波動問題の多重極法と同じになることを示す. また,2,3次元問題における数値例によって新しい定式化の有効性を検証する.



Toru Takahashi 平成12年6月25日