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最初に単一の円孔(半径 a)による平面
入射P波
の散乱問題を扱う.円孔上の
境界条件は表面力が0とする.
要素分割数は
N=100〜100000 とし,波数は円の半径 a に対して,
kLa=0.913,
kTa=1.581である.多重極展開などに含まれる無限級数の
打ちきり項数は20とした.1個のcellに含まれる最大要素数は10とした.
図1には未知数の数 N と計算時間の関係を示した.数 N が
数百で連立方程式の解に直接法を用いた従来法より多重極法のほうが速くなっ
た.図1には,
O(N),O(N3)の傾きの直線を合わせてplot し
たが,これより多重極法では計算時間は O(N) となっている事が分かる.な
お,精度については N=100 で境界上の変位の誤差が1.6%程度であり,
N=100000 では 0.0026% にまで減少した.なお,GMRESの反復回数はいずれも
8であった.
図:
単一円孔問題の未知数と計算時間の関係
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Toru Takahashi
平成12年6月25日