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はじめに

地下空間の開発に伴って、地盤の初期応力状態をより正確に把握することが ますます重要となっており、種々の地圧測定法が提案され、試みられている。 なかでも、オーバーコアによる応力解放法は信頼性の高い方法の一つとして多く適用されている[1]。 同方法では、実測に先立って、オーバーコアに伴う解放ひずみを 地盤初期応力に変換するための係数行列を求めることが必要であり、 これに積分方程式法を適用することが有効であることが過去に示されている[2]。

近年、応力解放法の改良案として、円錐孔底ひずみゲージ法[2] (ボーリング孔底を円錐状に仕上げ、 そこにひずみゲージを接着した後、ボアホール全体をオーバーコアすることにより生じた 解放ひずみから、一孔のみを用いて初期応力状態を推定する方法) や、本論文において取り上げる、その改良型(円錐孔底に探査細孔を追加し、同径でオーバー コアする方法)の応力解放法等が提案され、 測定精度および施工の効率性・経済性の改善が期待されている。

しかし、一方では、これらの方法ではボーリング孔底付近の形状が複雑となるために、 積分方程式法においても、高精度なモデリング、すなわち大規模な解析が要求される。 ところが、計算コストの制約により、従来の積分方程式法は適用し難い。 そこで本研究では、この種の解析に有効と考えられている、多重極積分方程式法の 適用について検討した。

以下では、まず応力解放法による地盤応力測定法の原理を簡単に述べ、 ついでそのために必要となる単位応力に対するひずみ変換行列を 多重極積分方程式法を用いて求める過程を説明し、続いて 3次元静弾性問題に対する多重極積分方程式法の定式化を示し、 最後に簡単な初期応力状態のもとで生じる解放ひずみのシミュレーション解析の結果を示した。



N. Nishimura
Wed Dec 16 21:06:14 JST 1998