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ひずみ感度行列の誘導

まず、初期応力から解放ひずみへの変換式(後述する行列にあたる)を誘導する。 地盤の初期応力状態を行列表現を用いて

 

と表す。ここに、応力は、直行座標系軸方向が孔軸(奥向き) と一致するように選んだ場合の応力成分であり、は行列の転置を意味する。 また、オーバーコアリングによって生じる所定のM個の計測点における解放ひずみ

と表す。ただし、 第一添字は計測点の位置を表し、第二添字は、それぞれ 母線方向の成分およびそれに直行する方向(周方向)の成分を意味している。

さて、地盤を等方な線形弾性体と仮定すると、解放ひずみは、 各初期応力成分の影響の重ね合わせとして、

と表すことができる。ここに、Eは縦弾性係数である。 また、係数行列(これをひずみ感度行列と呼ぶことにする)の 第kを構成するベクトルは、 ひずみがゼロでEを単位とする単位応力Eを単位とする単位応力成分をと書くことにして、 式(1)と同様な行列表現にしたものをと書いた) が作用している状態から、その単位応力を解放する(ゼロにする)ことによって生じる 各計測点の(解放)ひずみを意味している。 ところが、弾性問題であるから、ひずみがゼロで無応力な状態から、 単位応力を作用させることによって生じる各計測点のひずみ を意味していると考えても、符号が異なるだけで、本質的に同じである。 本論文の解析においては後者の意味でひずみを扱っていることに注意する。



N. Nishimura
Wed Dec 16 21:06:14 JST 1998