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数値解析例(1)

横に 2P 個,縦に P 個の整列した円孔 (直径 0.8/P) を有する 横 2,縦 1 の大きさの長方形内部領域を考える. 初期条件は零とし,境界条件は次式より計算される表面力を与えた.
 
$\displaystyle u_i(\mbox{\boldmath$x$ },t)=d_i\left[1-\mathop{\rm Cos}\nolimits\frac{2\pi}{\Lambda}\left(t-\frac{d_k x_k}{c_1}\right)\right]$     (13)

ここに, $\mbox{\boldmath$d$ }$ $\mbox{\boldmath$u$ }$ の進行方向を表す 単位方向ベクトルで $\mbox{\boldmath$d$ }=(0,1)$ とし, $\Lambda$ は波長で0.5とした. また, $\mathop{\rm Cos}\nolimits$ は次のように定義した関数である.

\begin{eqnarray*}\mathop{\rm Cos}\nolimits x=\left\{\begin{array}{ll}
\cos x & 0\le x\le 2\pi\\
1 & x < 0,\ x>2\pi
\end{array}\right.
\end{eqnarray*}


このとき,この問題の解は式(32)となる.

P=1,2,4,8,12 とした五つのケースを 本手法と従来法で計算した. このとき,境界要素数 Ns は順に 1,798,2,558,4,078, 7,054,9,966 である.また,時間選点数 Nt は 100, $\Delta t$ は 0.01 とした.

1 には境界要素数 Ns に対する各手法の 計算時間 (CPU 時間 [s]) を示した.これより, 本手法では従来法よりも高速に計算が実行され, 従来法の有する計算量が O(Ns2) であるのに対して, 本手法はほぼ $O(N_s\log N_s)$ である事がわかる. なお,従来法は主記憶容量の制約によって P= 8,12 の場合は実行できなかった. 解析精度については,数値解析によって得られる境界変位データと 式(32)で与えられる厳密解との絶対誤差のうち最大のものを 時刻毎に求め,それと厳密解が取り得る最大値 (=2) との比 E(t) [%] を 指標として評価した.このとき,実行可能な範囲における 従来法の E(t) の最大値は約 0.6 [%]であった.他方, 本手法は P=12 の場合に約 1.5 [%]であり,その精度は十分であると思われる. 以上より本手法が妥当であると判断した.

  
Figure: Comparison of computational time
\begin{figure}\epsfxsize=6cm
\epsffile{fig_bench1012b.eps}
\end{figure}



Toru Takahashi
2001-07-18