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outgoing rayの算法

式(17)に示したoutgoing rayの具体的な算法を 述べる.この際,密度 $\varphi^z$ に関する次の積分の算法を示せば十分である.
 
$\displaystyle {\cal O}(\mbox{\boldmath$s$ },t,\mbox{\boldmath$k$ })=\int_e\varp...
...y,t-(\mbox{\boldmath$s$ }-\mbox{\boldmath$y$ })\cdot\mbox{\boldmath$k$ }/c)dS_y$     (2)

ここに,eS0 を構成する一つの境界要素である. この積分を実行するためには,密度関数 $\varphi^z$ の空間及び時間基底 を定める必要がある.空間基底に関しては e 上で一定とする. 他方,時間基底は $\varphi$$\varphi^z$ に分割する事に関連して 以下のように決定される.

仮定として密度関数 $\varphi$ は滑らか,すなわち ある周波数 $\omega_{max}$ で帯域制限されているとする. このとき,関数 $\varphi$ を帯域及び時間制限された関数 $\varphi^z$ に 分割する事は周波数域と時間域との相似性により厳密にはできないが, 近似的には可能である.すなわち,$\varphi^z$$\varphi$M 個の サンプルとその補間関数 $\psi$ によって,

 
$\displaystyle \varphi^z(t)=\sum_{\alpha=zM+1}^{(z+1)M}
\varphi(\alpha\Delta t)\psi(t-\alpha\Delta t)$     (3)

と補間する時,$\psi$ として例えば次式を用いればよい.
 
$\displaystyle \psi(t)=\frac{\omega_0}{\omega_f}\frac{\sin(\omega_0t)}{\omega_0t...
...)^2-1}\right)}
{\sinh\left(\Omega p_t\Delta t\right)\sqrt{(t/p_t\Delta t)^2-1}}$     (4)

ここに, $\omega_0=\omega_{max}(\chi_1+1)/2$ $\Omega=\omega_{max}(\chi_1-1)/2$ であり, $\chi_1$pt はパラメータで,それぞれ1以上の実数と0以上の整数である. $\psi$ $\omega_f=\chi_1\omega_{max}$ で帯域制限 されている上, $\vert t\vert>p_t\Delta t$ $\psi\simeq 0$ である. したがって,$\varphi^z$ も帯域制限及び時間制限されている. この性質と 式(22)より,
 
$\displaystyle \begin{array}{c}
T_1^z=(zM+1-p_t)\Delta t,\\
T_2^z=((z+1)M+p_t)\Delta t
\end{array}$     (5)

と書けるので,式(15)の条件を成立させるためには,
 
$\displaystyle M \le (R_c-2R)/(c_1\Delta t)-2p_t+1$     (6)

を満たすように M を決定すればよい.ここで,時間軸を $M\Delta t$ 毎に 分割して,区間 $(zM\Delta t,(z+1)M\Delta t]$ ( $z=0,1,\ldots$) を第 z 時間 区間と呼ぶ.これは (T1z,T2z] に内包される( $(2p_t-1)\Delta t$ だけ短い) 事に注意する.

さて,パラメータ $\chi_1$ の値が大きいほど, 式(22)は良い近似を与える. ここで,$\chi_1$ より定まる $\omega_f$ は解析上の 最大の周波数として考えるべきものであり, $\Delta t$ $\omega_f=\pi/\Delta t$ で決まる. したがって,$\Delta t$ が過小とならないためには $\chi_1$ を 余り大きくはできない.他方,パラメータ pt も 式(22)の近似度を高めるためにはある程度大きく取ったほうがよいが, 式(25)で定まる M が正であるためには大きく 取れない.

結局,式(21)の ${\cal O}$ は,適切に選ばれた $\chi_1$pt と式(22)を 用いて離散化した後,Gauss積分公式により求められる.


Toru Takahashi
2001-07-18